2016/04/03 12:58

シンデレラグレイ


失恋してもう1年以上経つのに、また思い出しては切なくなっている。

一緒にいるだけ、同じ空間に居られるだけ、ただ傍にあなたが居るだけでわたしは幸せだった。

少しの会話ができるだけで嬉しかった。

あなたの声が、笑顔が、優しさがすべて愛しかった。

ずっと傍に居たいと感じた。

あんな気持ちになるのは初めてだった。

それが恋なのだと気付いた頃、あなたが去って行くことを知った。

ずっと好きでした、と告げた。

気持ちはしっかりと受け止めたと言ってくれた。

――最後の最後まで優しかった。

その優しさが、かえって哀しくて。

だからいまだに、どっか諦められない気持ちがあるんだろうな。

そして、あなたは去って行った。

わたしは、今でもあなたが好きで。

忘れなきゃいけないのに忘れられなくて。

それで、胸が苦しくて、ただただ切なくて。

連絡先も消せずにいる。

何度か、連絡を入れようかと考えたりもした。

だけど。

ダメ。彼は。テツさんは。

わたしのことなんて忘れなきゃいけないの。

こんな、切り傷だらけの重いメンヘラ女のことなんて。

どうか忘れていてほしい。

わたしも、あなたのことは忘れなくてはならないのだから。

出会う前に戻っただけなのに、こんなに苦しくて切ないのは何故なんだろう。

彼に関する記憶を、きれいさっぱりと消してしまえたらどんなに楽だろうか。

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