2015/09/21 13:35

聞いてください、看護婦さん / ルース・ジョンソン


ひもじくても、わたしは、自分で食事ができません。

あなたは、手の届かぬ床頭台の上に、わたしのお盆をおいたまま、去りました。

そのうえ、看護のカンファレンスで、わたしの栄養不足を、論議したのです。

のどがからからで、困っていました。

でも、あなたは忘れていました。

付添さんに頼んで、水差しをみたしておくことを。

あとで、あなたは記録をつけました。わたしが流動物を拒んでいます、と。

わたしは、さびしくて、こわいのです。

でも、あなたは、わたしをひとりぼっちにして、去りました。

わたしが、とても協力的で、まったくなにも尋ねないものだから。

わたしは、お金に困っていました。

あなたは心のなかで、わたしは、厄介ものになりました。

わたしは、1件の看護的問題だったのです。

あなたが議論したのは、わたしの病気の理論的根拠です。

そして、わたしをみようとさえなさらずに。

わたしは、死にそうだと思われていました。

わたしの耳がきこえないと思って、あなたはしゃべりました。

今晩のデートの前に美容院を予約したので、勤務のあいだに、死んでほしくはない、と。

あなたは、教育があり、りっぱに話し、純白のぴんとした白衣をまとって、ほんとにきちんとしています。

わたしが話すと、聞いてくださるようですが、耳を傾けてはいないのです。

助けてください。

わたしにおきていることを、心配してください。

わたしは、疲れきって、さびしくて、ほんとうにこわいのです。

話しかけてください。

手をさしのべて、私の手をとってください。

わたしにおきていることを、あなたにも、大事な問題にしてください。

どうか、きいてください。看護婦さん。

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