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失恋してもう1年以上経つのに、また思い出しては切なくなっている。
一緒にいるだけ、同じ空間に居られるだけ、ただ傍にあなたが居るだけでわたしは幸せだった。
少しの会話ができるだけで嬉しかった。
あなたの声が、笑顔が、優しさがすべて愛しかった。
ずっと傍に居たいと感じた。
あんな気持ちになるのは初めてだった。
それが恋なのだと気付いた頃、あなたが去って行くことを知った。
ずっと好きでした、と告げた。
気持ちはしっかりと受け止めたと言ってくれた。
――最後の最後まで優しかった。
その優しさが、かえって哀しくて。
だからいまだに、どっか諦められない気持ちがあるんだろうな。
そして、あなたは去って行った。
わたしは、今でもあなたが好きで。
忘れなきゃいけないのに忘れられなくて。
それで、胸が苦しくて、ただただ切なくて。
連絡先も消せずにいる。
何度か、連絡を入れようかと考えたりもした。
だけど。
ダメ。彼は。テツさんは。
わたしのことなんて忘れなきゃいけないの。
こんな、切り傷だらけの重いメンヘラ女のことなんて。
どうか忘れていてほしい。
わたしも、あなたのことは忘れなくてはならないのだから。
出会う前に戻っただけなのに、こんなに苦しくて切ないのは何故なんだろう。
彼に関する記憶を、きれいさっぱりと消してしまえたらどんなに楽だろうか。
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