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(これの続き)
そんなわけで、うちの看護師さん方は声が大きい。
そしてそれを、問題だとは思っていない。
下手すると、2階の開放病棟から1階の外来まで声が通っているのに。
地域がら、捲し立てるような語気ときつめの言葉。まさに喧噪そのもの。
これが大声で飛び交う職場。
いつしか、私はこの「声」に過敏になってしまった。
話の内容に関係なく、大声や早口を聞くと、
その「声」が自分を責め、否定されているように感じるようになってしまった。
完全なる被害妄想。それは自覚している。
だけど、苦しいものは苦しくて。
聞いていると責められているようでつらくて、
怖くて落ち着かなくなるわ、泣くわ、また過換気やら嘔気を起こすようになった。
主治医いわく、それは深層心理でかつての心的外傷を想起しているからだとのこと。
私の家庭は、まあ…よくある話で父親がいない。
訳あって両親は離別し、母子家庭となった。
後々知ったことだが、父は精神的な病気だったらしい。
当時小学生だった私と弟は、父に虐待を受けていた。大人になった今だから分かる。あれは虐待だったのだと。
主治医は、そのとき言われた暴言や、両親が言い争う声を無意識に思い出しているためだという。
どうしたらいいんだろう。
たかが「声」に、どうしてこんなに心を乱されないといけないの…??